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書籍紹介:考えすぎない練習 Don’t believe everything you think

  • 投稿カテゴリー:人が変わる
  • 投稿の最終変更日:2024年5月25日
  • Reading time:12 mins read

今回はジョセフ・グエン著の「考えすぎない練習」を紹介します。グエンは「直感はすべてポジティブで、思考はすべてネガティブなので、私たちは思考をやめて直感に従うことでよい結果にたどり着くことができる」と主張します。彼の主張と私の反論を説明していきます。

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はじめに

今回紹介するのは2022年11月に出版されたジョセフ・グエン(Joseph Nguyen)著の「Don’t believe everything you think(邦題)考えすぎない練習」です。ジョセフ・グエンのプロファイルが見つからないのですが、名前から察するにベトナム系アメリカ人でしょうか。
この本、amazonで何かの本を買ったときにお勧めに出てきて、レビューが多く、また内容的にも興味を引かれたので、買って読んでみました(いつものように英語版です)。

読んでみた印象ですが、まずはじめに重要な点として、この本は、万人に有益という訳ではありません。読者を選びます。ある種の悩みを抱える読者にとっては有益かもしれませんが、その他の人たちにとっては無益どころか有害にもなりえる本です。

具体的に言うと、ふだんから考え過ぎてストレスを抱えつらい思いをしている人や、悩んだ末に行動に移すことに二の足を踏んでしまうような人にとっては、助けとなる本でしょう。
しかし、ふだんから深く考えずに行動して失敗してしまう人や、いつも楽な方に流れてしまって何も成し遂げられない人、意志が弱く誘惑に負けていつも後悔してしまう人にとっては、有害になる可能性もある本です。

まず、前半でこの本の要旨を紹介したあとに、後半でこの本の問題点を説明していきましょう。本全体に渡って著者の主観的な意見が繰り返されますが、根拠が少なく、疑問に思う所が多いので、後半の問題点の指摘の方が長くなることを事前にお伝えしておきます(笑)。

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深く考えずに直感に従え

この本のメッセージはとてもシンプルです。
深く考えず、直感に従え」です。
終始、このメッセージが繰り返されます。

この本では「考え:thought」という単語と「思考:thinking」という単語を明確に分けて使っています(ただし、この区分は一般的なものではありません)。

筆者のグエンは、「考え:thought」は頭にぱっと浮かぶ無意識のもので、「思考:thinking」は、そのぱっと頭に浮かんだ考えについて意識して思考を巡らせていくことだと言います。
つまり、この本のメッセージ「考え過ぎるな。直感に従え」を言い換えると「思考ではなく考えに従え」になります。

以下に本書における「考え」と「思考」の違いをまとめました。

「考え:thought」
● ぱっと無意識に頭に浮かぶ考え。最初のひらめき。直感。魂の声。無限の可能性。創造の源。エネルギーの源。
●「考え」は常にポジティブであり、ポジティブな結果をもたらす。
●「考え」が、混乱、不安、動揺をもたらすことはない。
● 自然体であることで「考え」が生まれる。

● 考えは「Universal mind」から生み出される。人は「Universal mind」を神と呼んだり、無限の知性と呼んだりする。すべては「Universal mind」と結びついている。
● 普遍的、軽い、拡張的、無限、創造的、神聖、生き生きした、愛、可能性、全体、容易

「思考:thinking」
● 最初に思いついた「考え」に対して、「思考」を巡らせていくこと。熟慮。
●「思考」は常にネガティブな感情を引き起こす。私たちをかき乱し、「Universal mind」を遮断する。
●「思考」は「考え」を否定し、ネガティブな結果をもたらす。
●「考え」は苦痛はもたらさないが、それを「思考」に変えることで望まない感情が生まれ、苦痛が生まれる。

●「思考」は大量のエネルギーを奪う。「思考」は心理的な苦痛や破壊の元凶。
● エゴ、重い、制限的、限界がある、破壊的、致命的、ストレス、恐怖、抑圧的、分離、くたびれる

著者のグエンは、思考しないことで、私たちは幸せ、平和、自由でいられると言います。
思考をなくすほど、私たちはポジティブになれます。
思考する内容に問題があるではありません。思考そのものが問題なのです。
考え過ぎが問題ではなく、思考そのものが問題なのです。思考は苦しみの元凶です。
そのため、私たちは決して思考してはいけません。グエンは思考を全面否定しているので「ポジティブ思考」という概念さえも認めません。

例えば、私たちは瞬間的に痛み(pain)を感じることがあります。それを思考すると痛みは苦しみ(suffering)に変わり、望まない感情を引き起こします。苦しみの根源が「思考」なのです。
私たちは痛みは避けることができませんが、苦しみは避けることができます。苦しみを持ち続けるかどうかは私たち次第です。望まない感情は、思考し過ぎていることを私たちに知らせてくれるレーダーやダッシュボードのような存在です。

筆者のグエンは、この本を書くまで何十冊もの本を読み、心理学を勉強し、多くの思想的リーダーの話を聞きに行き、セラピストに通い、瞑想やマインドフルネスなど、何年にも渡って、ありとあらゆる自己啓発や自己コントロールの試行錯誤や探求を繰り返してきました。
しかし、どれを試しても、怒りやイライラ、フラストレーションが消えることはありませんでした。しかし、ある時、思考がネガティブな感情を生んでいると気付いたのです。

すべての思考を一度になくすことはできません。しかし、すこしづつ思考を減らしていくことはできます。そして、思考をなくしていくことで、幸せな状態に近づくことができます。

以上が、筆者の主張であり、本書の趣旨になります。

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この本の問題点

では次に、この本のいったい何がおかしいのかを説明していきましょう。

問題点その1:直感はすべてポジティブで、思考はすべてネガティブなのか?

この本の中で「考えはすべてポジティブで、思考はすべてネガティブ」だという筆者の強い主張が繰り返されます。
しかし、それは本当でしょうか?

筆者は、直感にはネガティブなものもあるが、ネガティブな直感は、私たちに危険を知らせ、それを回避し、生き延びるためだけのものにすぎず、もはや重要ではないと言います。

まず、ここに問題があります。もし、ネガティブな直感が生き延びるためだけのものだと言うのなら、ポジティブな直感も同様に私たちを生き延びさせ、繁栄させるためだけのものだと言えます。
なぜなら、以前本サイトで書いた記事「感情はどうやってつくられるのか? ~ 構成主義的情動理論」で説明したように、究極的に言えば、私たちの脳の中で起きていることのすべては、結局私たちを生き延びさせ繁栄させるためのものだからです。

また、本書のより大きな問題点は、「思考は常にネガティブ」だという著者の主張です。
思考にポジティブなものは本当にないのでしょうか?みなさんはどう思いますか?

例えば、ある人の言動に「かっ!」と衝動的に怒りを感じたけど、よくよく考えると「自分のためを思って言ってくれたんだな」と、思考によってネガティブな怒りがポジティブな感謝に変わることがあります。
また、くよくよしていたけれど「明日は楽しみしていたコンサートだ!」と考え直したら少しポジティブになれたということもあるでしょう。
さらに言えば、先ほど紹介した「思考が、瞬間的に痛み(pain)を、継続的な苦しみ(suffering)に変える」という筆者の主張についても、苦しみから抜け出すことができるかできないかも思考次第です。例えば、多少の痛い経験をしても、「いい経験になった」とか「今後の教訓になった」と思考することで将来役に立つものに変えることができます。

筆者は「ポジティブな思考」を完全否定しますが、みなさんも同様の反例を容易に思いつくのではないでしょうか?

また、著者グエンの「考え」と「思考」は、著名な行動経済学者でありノーベル経済学賞受賞者であるダニエル・カーネマン(Daniel Kahneman, 1934 -2024)のあまりにも有名な「システム1」と「システム2」にそれぞれ当てはまるものでしょう。しかし、どちらかというと問題をもたらすのは「システム1」つまりグエンが言う「考え」、つまり「直感」の方です。カーネマンは「直感を信じてはいけない」と言います。

「システム1」は自動的かつ処理速度が速い一方で、バイアスによって時に間違いや勘違いを引き起こすからです。他方、「システム2」つまりグエンが言う「思考」は、「システム1」よりも処理速度は遅いものの、論理的で合理的な結論を導き出します。

また、著者グエンの「考え」と「思考」は、前回も紹介した心理学者ジョナサン・ハイト(Jonathan Haidt, 1963 -)の、こちらもあまりにも有名な「」と「象使い」にそれぞれ当てはまるでしょう。

ハイトは、私たちの脳の中には「象」と「象使い」がいるという比喩を使って、私たちの脳の仕組みをとても分かりやすく説明しています。
象使いは理性を使って象をコントロールしようとしますが、自由に行動しようとする象を完全に支配することはできません。一方で、象は時に象使いの命令を無視して身勝手な行動をとろうとしますが、それが命取りになることもあります。時には象が正しく、時には象使いが正しく、時には両方が間違っていて、時には両方が正しいのです。しかし、どうであれ、象使いが象の上に乗っている以上、2人は共に同じ道を進まなければなりません。
象使いは象に強制的に何かをさせようとするのではなく、象が望むことや象の特徴をよく理解して、協力し合うことでお互いを良い方向に進めることができるのです。

なお、ジョナサン・ハイトが「象」と「象使い」について書いた2006年の名著「The Happiness Hypothesis(邦題)しあわせ仮説」は私が今まで読んできた様々なジャンルの数多くの書籍の中で最も好きな本の1つです。正直に言うと、紹介するのが惜しいほど素晴らしい本なので、今まで紹介していませんでした(すみません!)。
日本であまり売れていないのがとても不思議です。日本語版を読んでいないのでなんとも言えませんが、ご興味がありましたら是非ご覧ください。

問題点その1に戻りましょう。
「直感はすべてポジティブで、思考はすべてネガティブ」と主張する著者ですが、そもそも論で言えば、頭の中で起きていることにポジティブもネガティブもありません。ただ、そこで起きているだけです。

筆者グエンは「物事には良いも悪いもない。私たちが良いとか悪いとかという意味を付け加えているだけ」と述べますが、皮肉にも、筆者自身が「考えはすべて良くて、思考はすべて悪い」という間違ったレッテルを貼りつけることで、自ら矛盾に陥ってしまっているのです。

問題点その2:「思考」はいつも「考え」を否定するのか?

筆者は「思考は考えを否定する」と言います。
つまり、筆者によれば、最初に頭に浮かぶ良い考えを思考は悪いものに変えてしまいます。

しかし、逆に思考が最初の考えを強化したり後押しすることはないでしょうか。

例えば、「あー、体動かしたい!」とぱっと考えたとします。その後さらに思考して「そういえば、○○君が明日サッカーやるって言ってたな。まぜてもらおう!」などと、最初の「考え」を「思考」が助けることはありませんか?
先ほど挙げた「象」と「象使い」が助け合う比喩のように、みなさんも「考え」と「思考」が協力し合う例を思い浮かべることができるでしょう。

問題点その3:一切の思考をしないで、私たちはこの社会で生活していけるのか?

筆者は「思考」を全否定します。
たしかに思考を一切なくせば、私たちはストレスを抱えることはないでしょう。しかし、思考しないのですから、学ぶことも、成長することも、学校を卒業することも、仕事に就くことも、お金を稼ぐこともできないでしょう。この社会ではまともな生活は送れないかもしれませんが、筆者は、それすら思考しないので、気にならず、つねに自由かつ楽観的でいられると言います。

みなさんの中にも、一切「思考」しなくても生活できるのなら最高だけど、いったいどうやって生活していけるの?これって現実逃避?と疑問に思う人はいませんか。

さらにグエンは、ゴールや目標さえも思考することなく、インスピレーションに任せればいいと言います。つねに自然体でいて、「やらなければならないこと」ではなく、「直感でやりたいと思うこと」だけをやればいいと言います。著者は「直感はポジティブ」だと決めつけているので、直感に従えばただそれだけでよい結果を生むと言います。お金もついてくるし、不自由もしないと言います。

本当でしょうか???

私たちはみな森の中で自給自足で暮らしているわけではありません。この社会の仕組みの中で生きている以上、生活のために、家族のためにお金も稼がなければいけません。「Don’t worry, be happy」どころか「Don’t think, be happy」で、現実世界ですべての人がまっとうな人生を送ることができるのでしょうか?
また、すべての人がそのように思考を放棄して、私たち人類が今直面しているさまざまな社会的課題を乗り越えることができるのでしょうか?

問題点その4:単語の使い方が不明確

著者は、「心(mind)」は私たちに差し迫った危険を知らせ、生き延びさせることには貢献してきたが、それだけであり、私たちを繁栄させたり、私たちに充実感や喜びを与えるものではないと言います。私たちはもはや大昔のように野生に囲まれて住んではいないので、生死の危険性に直面しておらず、私たちを生き延びさせるために、私たちに恐怖や怒りといったネガティブな感情を引き起こす心(mind)だけを使うことをやめ、より大きな考え(thought)を利用しなければならないと言います。そして、魂(soul)こそが平和や愛、喜びの源であるとも言います。

心(mind)や魂(soul)や神(god)、普遍(universe)といった大きい言葉を感覚的に使って壮大な何かを表現しようとしているのかもしれませんが、言葉の使い分けもあいまいで、何を言わんとしているのか正確に読み取ることができません。

問題点その5:「直感」に従えばみな幸せになれるのか?

筆者は、直感に従えばほんとうにみんな幸せになれると書いています。直感はいつも正しく、私たちを正しい道に導いてくれると言います。

何度もしつこいですが、本当でしょうか???

私は山登りが趣味ですが、道に迷った際に素人が直感に従って進むことほど危険なことはありません。地図や方位を使って「思考」して、現在位置と進むべき方向を明確にしたり、そうでなければ来た道を分かるところまで引き返すなどの判断をすることが大切です。直感が必ず私たちを正しい方向に導くということはありません。

さきほどダニエル・カーネマンの「システム1」と「システム2」を紹介しましたが、「システム1」つまり「直感」にはバイアスがあるため、どちらかというと、大昔には機能したかもしれない直感が今では役に立たないことも多いのです。

問題点その6:人生で成功している人は本当に「思考」していないのか?

筆者は、人生に成功して、大好きなことをしたり、能力を十分発揮しているような人は「思考」を利用していないと言います。トップアスリートたちは、無意識で高いパフォーマンスを出しており、「無心」であることが最高の状態だと言います。

みなさん、納得できますか?

トップアスリートたちは、何も思考しないで「無心」で最高のパフォーマンスを出しているのではありません。思考に思考を重ね、誰よりも多く努力と練習と試行錯誤を積み重ねた結果、一番高い所にたどり着いているのです。そして、膨大の思考と練習を積み重ねた結果、それが完全に体に染みついているから、時に「無心」になって、高度な無意識の反応ができるのです。

以前本サイトで紹介した「Risk Savvy: How to Make Good Decisions(邦題)賢く決めるリスク思考」の著者であり、意思決定における限定合理性を研究する心理学者であるゲルト・ギゲレンツァーは、直感が正しいのは、それが「鍛えられた直感」である場合だと言います。つまり、その背後に膨大な知識や経験の蓄積がある場合、直感は無意識の知性となり、たとえ言葉ではうまく説明できなくても、感覚的に瞬間的に正しい答えを知ることがあるのです。鍛えられた直感は単なる当てずっぽうではありません。膨大な「思考」があるから、色々考えるから、「直感」が生きるのです。

賢く決めるリスク思考 ビジネス・投資から、恋愛・健康・買い物まで [ゲルト・ギーゲレンツァー]

冒頭に書いたように、筆者のグエン自身、多くの書籍を読み、多くの人たちの話を聞きに行き、勉強し、試行錯誤と探求を繰り返してきました。その結果、ある種の境地にたどり着き、この本を書くに至ったのでしょう。つまり、彼自体が、思考を積み重ねてきたのです。多くの「思考」を重ねた結果、シンプルな「考え」に至っているのです。経験も知識もない単なる直感だけでは、この本は生まれていないでしょう。

重要なのは、この「多くの思考を重ねた結果、シンプルな考えに至る」というプロセスです。前者なくして、後者にたどり着くことはできません。

「直感がどのような時に機能するのか」については、こちらの記事でも詳細に説明しています。よろしければご覧ください。

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さいごに

私にとって不思議なのは、こんなにも主観と矛盾にあふれた本なのに、この本が売れているということです。まあ、私も実際に買ってしまったわけですが(汗)。レビューも全体的に高めです。

大人も含めて深く考えられる人が少なくなってきていて、頭の中にぽっと浮かんだことをもっともらしく語る人が増えてきているという懸念を常々持っている私としては、このような本が売れて評価されているという事実にとても心配させられます。
英語ではこのように思い付きで物事を話すことを「頭のてっぺんから話す:off the top of one’s head」と言います。テレビのコメンテーターにしても、SNSのコメントにしても、重要会議の場においても、頭のてっぺんから話す人のなんと多いことでしょう。もっとひどいのは、周りもそれを受け入れてしまっていることです。

しかし、この本、断片的にみれば、それなりに良いことも言っていることは確かです。
例えば、
「現実そのものには意味なない。それに私たちが特定の意味を与え、さまざまな解釈を生む」
「否定的な感情に気付いたら、考え過ぎていないか気を留めてみる」
「思考を減らそうと意識するのではなく、今に集中し、思考していることを意識すれば、思考は減らせる」などです。
また、冒頭では分かりやすくシンプルな例も織り交えていて、正直に言って、読み始めた時点では、実は私はこの本に結構期待していました。

しかし、読み進めても「思考するな、直感に従え」が工夫なく繰り返されるだけで、読み進めるほどにロジックも破綻していきます。様々な理論の表面的な部分を軽率に継ぎ接ぎしているだけなので、各章の間で矛盾が生じていて、それがこの本の内容の浅さと著者の「考え」の甘さを露呈してしまっています。

さきに述べたように、この本は考え過ぎてしまう人には有益かもしれません。
原書のタイトル「Don’t believe everything you think」の直訳は「自分の考えをすべて信じてはいけない」ですが、この本がターゲットとする読者層を考えると、「考えすぎない練習」という日本語版のタイトルの方がむしろ適切でしょう。

そのような人向けのセルフヘルプ本だと前提をはっきり明記していればまだ納得できるのですが、原書ではそうは書いてはいません。それどころか「この本を読み終えたあとは、誰もが同じではなくなる」と書いています。筆者自身がエゴにやられてしまっています。こんな文章で、よくもそんな大それたことが言えるなと思います。筆者自身が、「直観」の欠点でありカーネマンが世の中から一番先に消したいと言う最も危険なバイアス「自信過剰バイアス:Overconfidence bias」に侵されてしまっています。

え~、今回の書籍紹介は今までで最も辛辣な内容になりました(汗)。
しかし、そんな本であるからこそ、私の思考も大いに刺激されて、色々考えることができました。そういった意味では、このような本をたまに読むのもよいのかもしれません。

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